【怖いけど良い話】原稿を手伝ってくれた男の子

年末年始あった驚きの体験。

 

その日、

私は締め切り迫った原稿を前に、

ネタが出てこなくて困ってたんだけど、

ふと気付いたら、

作業用の小テーブルの端に、

男の子が立ってこっちを見てた。

 

真夜中に一人暮らしの女の部屋にいる、

という以外は別に変わったところもない子。

ぽかんとしてる私に、

「手伝ってあげようか」

って言ってきた。

返事をしなかったから二、三回。

 

そのうち寝不足も手伝ってか、

これがきっと

修羅場の妖精さんなんだって思って、

「手伝っちゃだめ?」

って質問に、

「ぜひ!」

って返事した。

だけど、体育座りしてるだけで

何もしてくれない。

 

まあいいや、ほっとこう、

と思って原稿に向かった瞬間、

それこそ溢れるように

ネタが湧いてきて、

これはいい!と全部メモした。

それでもまだまだ出てくる。

ついには原稿の裏まで使って書きとめて、

ほっと顔を上げたら、

その子がじーっとこっちを見てて、

「本できそう?」

って聞いてきた。

 

余ってたページどころか、

あと五、六冊ほどできそうで、

嬉しさのあまりハイになって

「うんうんできる。いっぱい!」

って言ったら、

「よかった」

ってにっこり笑って、

すうっと消えた。

 

これは事件だーって、

同じように修羅場だった友達に電話したら、

ものすごく冷静な声で

『いいから寝ろ』と言われて、

電話を置いた後記憶がない。

気がついたら午前十時だった。

夢かと思って

テーブル見てびっくり。

メモが全部あった。

二度目のびっくりは新年明けて、

彼氏の実家に遊びに行った時。

 

アルバム見てたら妖精さんがいた。

彼氏の子供の頃とそっくりなんだ。

顔も髪型も。

 

私がじっくり見てたら、

「俺、かわいいだろー」

って上機嫌なってたけど、

さすがに言えなかった。

 
ただ、年末原稿かかりっきりで

デートのお誘い何回も断ってたから、

寂しくって

早く上がるよう手伝いにきてくれたのかな、

と今は思ってる。

 

ちなみに私、

そのアルバム見るまで、

彼氏の子供の頃なんて見たことなかった。

 

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