【怖い話】鬼に取り憑かれたじいさん

幼稚園の頃、鬼を見た。

その日は山に囲まれている

田舎のおじいさんの家に泊まった。

わりと近所なので普段から何回か泊まったことはあったから、

普通にご飯とか食べて、2階で寝てたんだけど、

深夜2時~3時くらいに眩しくて目が覚めた。

ふとベランダを見ると、

鬼が3人、座って何か話をしていた。

ベランダの入り口には横にスライドするガラスの窓があって、

その一枚手前には障子の襖がある。

そこにやけに明るい月に照らされて、

いかにも「鬼」というような出で立ちの3人が

シルエットになって映っていた。

怖かったが、とりあえず隣で寝ていたあばあさんを起こして、

僕が「ベランダに鬼がいる!」と小声で言うと、

おばあさんが眠そうに起き上がって、まず電気を点けた。

すると当然、障子にあったシルエットは消えて、

おばあさんが障子を開けてもそこには何もいなかった。

その日、見間違いって事になって、

次の日に家へ帰った。

元々おじいさんの家は古い木造家屋だった事から、

いとことの間でも「幽霊が出る」って噂があったけど、

実際に本物を見たのは僕が初めてだった。

だが話はそれだけは終わらず、

ちょうど1週間後の土曜日の夜中、

家で寝ていたら母親に叩き起こされた。

「今、おじいさんの家で、おじいさんが暴れて

警察とか救急車が来てて、

お父さんが様子を見に行ってるけど、

一緒にいた親戚が包丁でおじいさんに刺されたらしい。

とりあえず、おばあさんが危ないから

うちに非難させる」

という事で、

俺はビビッて震えながら家で待機していた。

しばらくすると、

おばあさんとお父さんが帰ってきて、

おばあさんは、

「おじいさんが鬼に取り憑かれた!

いつも山で、カラスとか鹿を猟銃で撃ってるから祟られたんだ!」

と話していた。

経緯を聞くと、

親戚で集まって酒を飲んでいたら、

急におじいさんが立ち上がって奇声をあげながら

台所へ行き、包丁を振り回したらしい。

元々おじいさんは温厚で人を刺すようなタイプじゃない。

お父さんも、

「あんな顔のじいさんは見たことがない。

本当に鬼が乗り移ってるような顔だった」

と言っていた。

ちなみに、この事件は

全国ニュースにもなりました。

結局、おじいさんは捕まって

留置場に入った。

でも元々、山とか田んぼ等の地主だったことから

お金はいっぱいあって大金はたいてすぐ帰ってきた。

おじいさんは事件の事は全く覚えてなくて、

朝起きたら見知らぬ場所で警察に囲まれていたらしい。

すぐに身内全員が集合して、

みんなの前でおじいさんが土下座。

刺された親戚ともすぐに和解しました。

その事件から10年以上経った今、

おじいさんも病死し、何事もなく過ごしていたんですが・・・。

去年の2月、いとこの女の子(4歳と6歳の姉妹)たちが、

おばあさんしか住んでいないあの実家に泊まっていたら、

「鬼を見た」という。

もちろん、その子たちが生まれる前の事件だし、

鬼が出るという話も全く知らない。

おばあさんは心底怖がって、

うちに週1くらいで泊まりに来たりしていた。

そしたらちょうど泊まりに来ていた3月11日、

東日本大震災が起こり、

おばあさんの家は1階が潰れて、

2階が綺麗にそのまま下に落ちた格好で倒壊していた。

最後は、おじいさんがおばあさんを

守ったんだと思います。

今、実家の土地は他人に売って、

おばあさんと一緒に暮らしています。

 

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