知り合いの話
夕方、山中の高速道路を
急ぐでもなく気ままなドライブを楽しんでいた。
道は山の等高線をなめる様に
切通しのカーブを描いていく。
ふとバックミラーを見ると、
切通しの脇の道路上に
黒い人影が立っているのが見えた。
「あれ、さっき通った時には人などいなかったのに」
と思う間もなく
その人影はミラーの中で
バサバサと崩れて見えなくなった。
「まるで枯葉の山が崩れる様だった」
黄昏てたとは言えまだ陽も出ていたし、
上から人が飛び降りれる様な
切通しでもなかった。
「それからはコーナーを過ぎる度に
バックミラーが気になってね・・・・」
結局それは陽が完全に没し、
あたりが暗闇に包まれるまで
数回、現れたという。
「それを見る度に速度が上がっちゃってさぁ、
危うくオービスに引っ掛かるところだった
警察もあんな連中まで使って
点数稼ぎするなんて汚いよなぁ」
突っ込んだら負け、
なのだろうか?
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