何もない空間に向かって
犬が吠え掛かる、
という現象をよく聞く。
先日、夜中に一人、
コタツに入りながら
テレビを見ていた。
突然、
隣りで寝ていた犬が、
けたたましい勢いで吠え始めた。
時刻は2時を過ぎており、
このままでは近所迷惑になる。
何とか止めさせようとするのだが、
一向に吠えることを止めようとしない。
一体、何に向かって
吠えているのだろうか?
部屋の中を一通り見て回ったが、
特に普段と変わったところはなかった。
仕方なく、
またコタツに戻った。
何かが足に触れた。
人間の足だった。
あまりの恐怖に、
中を確認することは出来なかった。
犬は、もう吠えていなかった。
暖かいコタツの中で、
異様なまでに冷たいその感触は、
今でもはっきり残っている。
季節は少し早いが、
コタツは片付けることにした。
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