ふと思い出した、
大震災の時の話です。
被害の比較的小さい地域だったのですが、
当時住んでいたのは
築10年程のマンション8階で、
結構揺れました。
(ピアノは固定台から外れ30cm程動き、
食器棚は倒れ中身はほぼ全壊。
台に置いていた電子レンジや炊飯器は、
コンセントが引っこ抜けて
部屋の端から端まで
吹っ飛ぶといった状況でした)
家族全員地震に飛び起き、
もしもの時の避難に
とりあえず着替えだけは済ませようとしていた時…
玄関のチャイムが鳴りました。
インターホンに出てみれば友人です。
当時中学生だった私は、
友人と早朝マラソンを毎日していたのですが、
彼女は今日もその誘いに来たというのです。
とりあえず家に入れ、
「え…(こんなすごい地震なのに)何で来たの?
マンション揺れてなかった?」
等と聞いた所、
きょとんとして、
「へ、何それ?
あ、何かこの家散らかってるね~どうしたの?」と、
地震を知らない様子。
しかも、エレベータで上がってきたというのです。
彼女の家からうちまでは徒歩で10分程度。
寄り道はしなかったということなので、
逆算すると丁度揺れてる真っ只中に家を出て、
余震もある中歩いてきた事になるのですが…
「ブロックとか瓦とか落ちてこなかった?」
と言っても、
「ううん、全然」
という返事です。
さっぱり訳がわかりません。
ですが、とりあえず今日は止めようと
彼女を促し、
階段で下まで降りました。
一階ロビーで見ると、
案の定エレベータは止まっていました。
マンションの壁には
幾筋も亀裂が入っています。
近所の一軒屋の瓦は
3分の1程道に落ちて割れているし、
道路もひび割れ隆起するなど、
周囲もなかなかひどい状況です。
彼女はそれを見て心底びっくりしたらしく、
「ちょっと帰るわ」
と走って帰りました。
後日聞くと、
彼女の家(年代物)も
被害が大きくて驚いたとの事でした。
何故彼女が地震に気付かず、
余震もある中エレベータで
8階まで来られたのでしょうか…。
鈍いだけなのか、
守護霊でもいるのか、
はたまた時空の歪みでも通ってきたのか。
いずれにせよ、
当時は彼女をほんのりと
怖い子だと思ったのでした。
コメントを残す