私は以前、
仕事で精神が擦り切れて
心療内科に通うことになった。
ただその通院した医院は
ヤブだったせいか、
過剰に薬を与えられて
逆に悪くなってしまい、
奇妙な体験を何度かすることになった。
ある日、
ながい睡眠から覚めた後、
自分の身体がとても重く感じた。
何というか、
重い水の中を動いている感覚だった。
身体をゆっくりとしか動かすことができない。
気晴らしに外に出て歩いてみたのだが、
周りの人やモノも
ゆっくりとしか歩いていなかった。
散歩した後、
特にすることが無かったので、
近くのゲーセンで
シューティングゲームをすることにした。
『怒首領蜂 大往生』と
『ケツイ ~絆地獄たち~』という
難易度が恐ろしく高いゲームを
プレイしたのだが、
どっちもあっさりと初クリアしてしまった。
いつもは途中であっさり死んでしまうのに。
店員さんが「すごいですね、
よくあんな速い弾かわせますね」
と褒めてくれたが、
基板が故障で
ゆっくりとしかゲームが動かないんだから
誰でもクリアできるよ、
と思っていた。
当時の人や物の動きを
ゆっくり感じる感覚は、
恐らくプロスポーツ選手が集中したとき、
ボールなどがゆっくり動く、
止まって見える感覚と
同じようなものだろうが、
私の場合は薬のせいで
脳内のバランスがおかしくなったせいで、
それが普通の感覚に
なってしまったのだろう。
通院、薬を止めてから一年以上たって、
体調も精神も
普通に戻ったと思っているが、
今でも普通の時間の感覚に戻っているかといわれると、
あんまり自信が無かったりする。
コメントを残す