幼い頃からよく熱を出して寝込んでた 。
決まって見る夢が妖怪の夢。
水木しげるの鬼太郎に出てくるような
妖怪が夢うつつに出てくるんだ。
ろくろ首とか、狐っぽいのとか、
そういう類の連中が出ては怖がってた 。
熱出すと、一人だけほとんど看病もなく
放置されるように別の部屋で寝かされてたもんだ・・
なにせ両親が不仲で、
子供に構う余裕がなかったものでな。
父親は、
わざわざ部屋に満面の笑みを浮かべつつ
「ほら、あそこにお化けいるだろ!」っ言って
去ってゆく始末。
壁のシミがお化けに見えてしょうがなかったな 。
小学5年の時だった。
ちょうど「新日本プロレス」が
ゴールデンでやってた時代だよ、
アントニオ猪木とか絶世時代だったな 。
いじめられっ子だったけど、
学校でプロレスごっこはよくやってた 。
でもけっこう楽しかったと思う 。
その日も高熱を出して寝込んでた 。
2段ベットの上にいて、
のっぺらぼうが迫ってくるんだよ、
天井を逆さにな 。
コイツはいつも熱を出すときに必ず現れてたっけ 。
キン肉マンの「マウンテンマン」って知ってるか?
柔道着みたいのを着ててな、
その時も天井を逆さにこっちに迫ってくるんだよ 。
怖くて指差して泣きながら、
「来た~こっちに来る~!」って泣き叫んだ 。
オヤジに言ったけど
「そんなのいねーよ、ヒヒヒ・・・~!」
みたいなこと言われたっけ 。
でもなぜか、その時はやたら頭にきて
迫ってくる「マウンテンマン」の顔面にオラー!!って
正拳突きを入れた 。
顔面にのめり込む、
生暖かい感触があったのを覚えている 。
それからだよ、
高熱にうなされることがなくなったのは・・・。
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