中学生の頃、近所にある細い道の脇に、
電話ボックスぐらいの大きさの檻があった 。
刑務所の檻みたいに、
コンクリートと格子でできたやつ 。
そこに10匹以上の猫がいた 。
いつも見ても狭い檻の中にいるし、
猫たちはみんなやせてて汚らしく、
息ができないくらい臭かったので 、
檻の中で閉じ込められて飼われていたんだと思う 。
ある日の夜、自分の部屋で寝ていると、
外からたくさんの猫の鳴き声がした 。
うるさいので追い払おうと思い、
外に出ると異常に臭い 。
あの檻にいた猫たちの臭いだった 。
とにかく追い払おうと、近寄ったり、
手で追い払うしぐさをしてみたが逃げる気配はない 。
それどころか何匹かの猫はじっと自分を見つめていて、
なんだか気持ち悪くなって家の中に逃げ帰った 。
その後あの檻を見に行ったが、
いつもと同じように猫たちが入っていた 。
どうやって檻から出たんだろうとか、
もともと檻から出られるなら
どうしていつもあそこにいるんだとか、
そもそもあの檻は何なんだとか、
未だによくわからない
猫たちはあれから数年したらいなくなってた 。
今は檻だけ残ってる 。
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