学校が午前中で終わり、
帰宅したのが昼少し過ぎ。
3時半からのバイトまで数時間しか空いてないけど、
少し疲れてたので昼寝をすることにした。
うとうとし始めたとき、
廊下を飼い犬(小型犬)が歩いてくる音が聞こえた。
犬は部屋に入ってきて(ドアは開けっ放しなんで)ベッドに上がり、
私の足元で丸くなった。
犬はいつも、誰かが寝ていると一緒にくっついて寝るので、
私は「足が動かしづらいなぁ」
と思いながらも黙って目を閉じていた。
すると、犬が足元から頭のほうへ、
布団の上をぽすぽすと移動する感触がした。
しかしおかしい。
だって、足元には犬の重みがそのまま残っている。
あれ、と思う頃には犬は私の顔に、
どうやら鼻を寄せていた。
フンフンといつも聞く鼻を鳴らす音がしている。
また次の瞬間には、
後頭部でも犬の気配がして
(仰向けじゃなくて右耳を枕につけて寝てた)、
匂いをかいでいる様子がわかった。
何で三匹もいるんだ?と思い、
確かめようとしたが目が開かない。
それどころか、
間近に犬の顔があるせいか、
息もできない。
だんだん苦しくなってきて、
なんとか犬を振り払おうと力を込めた。
はっ、と気がついて目を開けると、
犬はどこにもいない。
呼吸は酸素不足でぜいぜいしていたし、
心臓は走った後のように早くなっていた。
そのあとも昼寝を続けようとしたが結局眠れなかった。
逆に疲れたよ・・・
とバイト先で思い返していてふと気づいた。
ウチ、犬なんて飼ってない。
・・・・・・・上の二行みたいなオチがあればまだ怖い気もするけど、
これはウソ。
でもあんなにリアルに気配を感じてしまうと少し不気味。
窒息しかけたし。
本物の一匹はどれだったんだろう。
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